綺麗に死ぬITエンジニア

富士山には絶対に登ってはいけない!? 富士山の山小屋の惨状……

2015-09-20

この間富士山に登ってきました。

そのとき宿泊した山小屋のクソ加減たるや、想像を超えたものがありました。今日は富士山の山小屋にフォーカスして、ビジネスの在り方を考えてみます。

山小屋のどこら辺がクソか

まずはじめに、前提として、富士山の山小屋がクソと述べた理由として考えられる、私が体験した事実のみを列挙していきます。

  • 従業員の言葉遣いが悪い
  • 従業員が終始、「休憩させてあげている」「泊めてあげている」というニュアンスの上から目線で会話を展開してくる
  • 料理の写真も説明もなしで、注文したらただお湯を入れるだけのインスタントが出てくる
  • 客の目の前で、その客の悪口や嫌みを言う
  • 客ばかりが気を使っている異様な光景
  • 雨の日は本来山小屋にとって書き入れ時なはずなのに、逆に営業してる気配を見せないように、客に見つからないようにしている
  • 暗黙のルールが多すぎて、訳のわからない理由で怒られる(ex. 「服をハンガーにかけるな!」、「服をストーブで乾かすときは、1枚ずつ乾かせ!(2枚同時にやると超怒られた)」
  • 飯がまずい
  • なんかよくわからんがことあるごとによく怒鳴る従業員がいる

なんというか、下界ではあり得ない客と従業員とのやりとりです。私が都会慣れしてしまっただけなのかもしれませんが。それにしても、他のネットでの評判等を見ても、酷い。

独占禁止法

話は一気に変わりますが、この国には独占禁止法というものがあります。独占禁止法とは簡単に言えば、「商売などで不正に価格変動させたり、不当な取引制限を設けたりして、他の事業者を市場から排除(自らが市場を独占)してはならない」という法律です。

市場での競争を各事業者にさせることで、サービスレベルの向上を図る目的があります。

富士山の山小屋の場合はどうでしょう。聞いた話で、確かな証拠があるわけではないですが、富士山の山小屋は世襲制と聞いたことがあります。これが事実だとすれば、実質、競争相手はゼロです。独占しています。

まず、一合ごとに山小屋は大抵1つです。この時点で、同地点に競合他社はありません。

そして、富士山は国立公園の一部で、国の所有物です。これは、新規参入が非常に困難で、新たな競合となる事業者が現れないことを意味しています。

つまり、どうなるか。独占禁止法が事実上機能していないという状況で、独占しているということです。よって、独占禁止法の目的である、サービスレベルの向上が図られないということです。

独占し続け、数十年

ネットを見る限り、富士山の山小屋の評判は、かなり昔から悪いようです。そして、今後は更に悪くなることが予測されます。

競争相手がいないので、どんなに傲慢な態度をとろうとも、ピーク時には何もせずとも山小屋には多くの儲けがあります。そして、サービスレベルは一向に向上の気配を見せないのです。なぜなら、登山者は命がけで登山をしているわけで、山小屋がないと困るのは登山者なのだから。

その歴史を古くから繰り返してきたからこそ、現在、富士登山者は減少の一途をたどっているわけです。世界遺産に選ばれた今も、富士登山者は全然増えていないらしいですからね。

富士山は、世界遺産に選ばれるべきではなかった

私は、今回の登山を通じて、この悲惨な山小屋の現状を知るにつれて、次第に「富士山が世界遺産に選ばれたのは間違いだった」と感じるようになりました。この悲惨な山小屋を、全世界に発信してはいけないと思うのです。恥の上塗りです。

そして、国はもう少しこの現状を改善すべく動くべきです。もっと多くの競争を働きかけるべきだし、世界遺産になったのだから、もっと費用をかけて、競争できるだけの収益をあげられる仕組みを作るべきです。作れないのなら、もうある一定数の山小屋を潰すべきとさえ、思います(かなり極論ですが)。

現状のゴミだらけ、サービスレベルの低い状態の富士山は、日本の価値を下げるだけの害悪としか思えなくなってしまいました。

富士山は、見るもの

ここで残された、富士山のたった一つの活用法。それは、外から見る、ということです。間違っても、「世界遺産に登録された記念に!」などとはしゃいで、登ってはいけません。

外から見れば、綺麗です。嫌いにならずに済みます。