新卒や第二新卒をマインドコントロールするブラック企業の手口
2017-06-07
私は、専門学校卒業後、新卒として就職活動をした後、更に第二新卒として業界を少し変え転職活動をし、その後フリーランスとして独立した、という経歴を持っています。
これまでの就職活動や転職活動、またフリーランスとしての営業活動を通して、新卒や第二新卒といった無知で純粋な若者を、マインドコントロール、半ば洗脳して消耗させるようなブラック企業をいくつか見てきました。
私はそんな企業とは縁がない!
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大企業や中小企業の多くは、多かれ少なかれ社員をマインドコントロールする傾向があります。度が過ぎなければ、マインドコントロール自体が悪いことであるとは思いません。
企業内でだけ通じるマナーやローカルルールといったものは、まさにマインドコントロールの仕組みではありますが、企業内で社員の統制を図るのに役立っている例もあります。
ただ、私が思う「ブラック企業」というのは、そのマインドコントロールをより悪質に、そして意図的に実施しており、場合によっては悪意を持って若者の人生を台無しにするような組織である場合すらあります。
今回は、そんな純粋無垢な若者を食い物にするブラック企業の話を、私の経験を交えて記事にしたいと思います。
若者が転職しにくくなる思考パターン
悪質なマインドコントロールを実施するブラック企業は、多くの場合、新しく入社した純粋無垢な若者を転職しにくい思考パターンになるように教育します。
具体的には、以下のような思考パターンを持つように教育します。
- 会社の悪い部分のことは考えず、いい部分のことだけを考える
- いかなる場合も、プライベートよりも仕事を優先させなければならない
- この会社に一人前の社会人にしてもらったり、逆に迷惑をかけてしまったりした分、もっと恩返ししなければならない
- 社長や上司、先輩の言うことは全て正しい
- この会社より他の会社の方がもっと酷い待遇だと思う
- 3年は働かないと辞め癖がついて人間としてダメになる
- これまで辞めていった人達は、みんな忍耐力のないダメ社員ばかりだった
このような思考パターンを持つ、いわゆる社畜を生み出すために、このようなブラック企業では、しばしば言論統制が行われていたりします。
「飲み会で会社への不満を言っていたのがバレて、評価が下がった」などと、会社の方針に少しでも反論する人間に対し不利益を与え、なおかつ他の社員に対する見せしめにするなんてのは、この手の企業の常套手段です。
そうやって少しずつ、発する言葉や思考回路に圧力・制限を加え、徐々に徐々に会社にとって都合のいい人間に育て上げていくのです。
そして、「死人に口無し」。あたかもこれまでその企業を辞めた人間の方が悪いという空気を作ることによって、「辞めるやつが悪いのだから、これまで辞めていった人間と同じ考えは甘え」と思わせ、より辞めにくい思考パターンにさせていくのです。
ある程度社会経験を積み、転職経験もあるような人からすれば、そのような状況が「おかしい」といった判断もつきますが、新社会人で初めて仕事をするような人たちは、本当にこの手のマインドコントロールに引っかかりやすいです。
マインドコントロールできそうにない人間を面接で落とす会社
この手法を用いるブラック企業は、中途採用、特に30代40代といった即戦力の中途採用をほとんどしません。新しく採用する人材の全てが10代後半や20代のいわゆる「新卒」や「第二新卒」、または「業界未経験者」だったりします。
その理由はやはり、先ほど述べたマインドコントロールがしやすいからでしょう。
もちろん、新卒や未経験者を採用するのは悪いことではなく、むしろ良いことです。しかし、新卒や未経験者だけを集めている会社は、私の経験上とても怪しいです。
そういった会社に対し「なぜ中途採用をしないのか」を質問したとき、「中途の人材はすぐ辞めてしまうから」などといった返答が返ってきたとしたら、もう99%真っ黒です。それだけでブラック企業と断定してしまって差し支えないでしょう。
中途の人材は、前述の理由から、マインドコントロールしにくい場合が多く、もし転職した先がブラック企業であった場合に定着する確率が、新卒と比べ著しく低くなる傾向があります。
つまり、「新卒」「第二新卒」「業界未経験者」ばかり募集している企業というのは、「マインドコントロールしにくい人材はいらない」といっているようなものなのです。
以前、私が転職活動していたときに、とある企業の面接で、「他に検討している企業や面接を受けている企業はありますか? あれば、いま選考がどの程度まで進んでいるか教えてください」と質問されたことがあります。
この時点で変なことを聞くクソ企業だなと思いましたが、特に隠す必要もないので、全て正直に、「既に内定を貰っている企業が複数ありますが、他の様々な企業も選択肢に入れ、いま複数選考を受けている最中です」と答えました。すると、「だったらウチである必要がないよね? そんなのは建前で、ないですと言っとけよ」と突然キレ気味に言われました。
もちろん、その会社も「新卒」及び「第二新卒」しか採用していない会社で、面接時の質問で「残業代が出ない」と堂々と言い放った、立派なブラック企業でした。
ここまで極端な例は少ないかもしれませんが、このように毅然とした回答をしたり「残業代は出るか」といった質問をぶつけたりすることで、「マインドコントロールしにくそうな人間」を面接でスッパリ切ってくる例も実際にあります。
ブラック企業からは離れるべし
悪質なマインドコントロールをするブラック企業に在籍し続けるということは、そのブラック企業と共犯になるということを認識しましょう。
この手のブラック企業には、古くから在籍しているベテラン社員というのが存在していることが多いです。そしてそのベテラン社員こそが、真っ先にマインドコントロールされた被害者であり、新たに入ってくる人材をマインドコントロールする加害者でもあります。
経営者に悪意があったとしても、これらのベテラン社員には悪意がない場合が多く、自分たちの行動が本当に正しいと信じて疑いません。悪意がないが故に悪質なのです。
そして、新たに入社したあなたがそのブラック企業に在籍し続けるということは、そのベテラン社員と同じように、無意識にブラック企業の被害者を増やすための一要因になっているのです。
マインドコントロールに負けず、ブラック企業からは直ちに離れることが大事です。そうすれば、いずれそういった企業は倒産してくれるはずです。