綺麗に死ぬITエンジニア

ITエンジニアは、悪口を言う人と付き合ってはいけない

2015-10-29

どの職業でも同じかもしれませんが。

今回は、特に「ITエンジニア(情報系の技術者: SE, PG, PM, etc)」という職業において、悪口を言う人と付き合ってはいけないその理由を紐解いていきます。

ITエンジニアが付き合ってはいけない「悪口」とは

まず前提として、ITエンジニアが付き合ってはいけない悪口の種類をあげます。

  1. 特定の個人を悪く言うこと
  2. 経歴や性格・外見などの個人としての特徴(人格)を悪く言うこと
  3. 事実に反した(事実を確認していない)情報で悪く言うこと
  4. 本人のいない場所で(本人以外の人に向けて)悪く言うこと

私の経験上、上記の1.とそれ以外のいずれかに当てはまる悪口を言う人と付き合って、いい経験や思いをした覚えが欠片もありませんし、逆に私の環境に悪影響を与えることばかりでした。

もちろん、悪口を言われる対象は、私のこともありますし、私以外の人であることもありますが、どちらでも同じです。誰かが悪口を言っている環境にあるだけで、悪影響なのです。また、悪口を言っている人が必ずしもエンジニアではないということにも注意が必要です。営業であったり、デザイナーであったり、はたまた経営者や会社幹部であったりします。

そういう人が組織に含まれているだけで、その組織はエンジニアが生きていく上では窮屈なものとなり、状況を打開したい多くのエンジニアはその組織を離れた方がいいという決断を下すことになります。

一つ一つの項目において、その理由を考えてみます。

1. 特定の個人を悪く言うこと

まず、集団に対してではなく個人に対して、悪口を働くことは、その個人を孤立させてしまうリスクがあります。そして、ある1個人が孤立するということは、集団全体として、孤立することに対する恐怖のようなものが、それぞれのメンバーの中に生まれます。

エンジニアは専門性を求められる職業ですから、個々がそれぞれある程度独立していて、互いにそれぞれの専門的な知識を出し合いながら問題解決に向かう姿勢が求められる職業です。

その中で、孤立に対する恐怖を植え付けられる集団というものは、自由な意見や突飛なアイデアをそれぞれのエンジニアが言い出しにくくなります。個々で独立しているからこそ、1個人の孤立がどんな悪影響を及ぼすか計り知れません。

2. 経歴や性格・外見などの個人としての特徴(人格)を悪く言うこと

これは、主に悪口を言われた本人の能力を低下させます。たとえ本人が直接悪口を言われていなくても、です。

人の意識というものは伝搬します。人を見下せば、その見下している態度が知らず知らずのうちに必ず現れます。その人の地位を、悪口を見聞きした人の潜在意識の中で、知らず知らずのうちに貶める行為だということです。

「私は、そんな見下した態度はしない!」と思っていても、複数人で特定の個人に対する悪口を共有していたら、その人を見下す雰囲気がどうしても出てきてしまうものなのです。

しかも人格などという簡単に直せない、しかも抽象的な感覚でしか推し量れないものを根拠にしては、状況の改善はほぼ不可能です。エンジニアの技術力や知識量を対象にした悪口であれば、まだチーム全体で見れば改善の見込みがありますが、改善できない、いわば悪いレッテルを貼られたエンジニアは、1.で述べた孤立を、より加速させられます。

3. 事実に反した(事実を確認していない)情報で悪く言うこと

これは、主に悪口を言った側の人間の評価を下げます。

事実無根の悪口を言うということは、そこには感情的なものが必ず含まれています。つまり、「感情的になれば嘘でも他人を蹴落とす人間」だという評価が、多くの人によってなされます。

そしてそのような人間の含まれる集団は、必ず感情的で不毛な争いが生じます。それが仮にシステムを開発するときの、要件定義や設計方針の会議であっても、感情的な議論をします。これはエンジニアとしてはあってはならないことですし、エンジニア以外の会議参加者がそのような場合には、それこそ意見の主体であるエンジニアの発言意欲を低下させるものとなります。

本当に、このタイプの人間は、存在するだけで害です。エンジニアであればできるだけ接触を避けるべき相手です。

また、勘違いによって事実とは異なる悪口を言う人もいますが、同じことです。事実確認をせずに他人を貶めるその行為は、エンジニアとしては論理性に欠けますし、それ以外の人であっても後先を考えない幼稚で感情的な人間であることに変わりはありません。

4. 本人のいない場所で(本人以外の人に向けて)悪く言うこと

「陰口」というやつですね。

本人がいる場所で言う本人への悪口は、良いとは言えませんがまだマシです。チームの雰囲気やエンジニアのキャラクターによっては十分にあり得る状況ですし、ある程度現状の改善に働く可能性もあります。

しかし、陰でそれを言う人というのは、自己顕示欲の溢れる自己中心的な人間です。集団をよくしようという意識は全くなく、自分の身の回りの連中に対して自身の権力や自身の正しさを誇示したいだけです。

そうして、結果として、1.のように孤立が発生します。これで悪口を言った方は満足かもしれませんが、チーム全体が良い方向へ向かうことなど、決してありません。むしろ殺伐とし、エンジニアの自由な業務遂行の妨げになります。

まとめ

このように、悪口を言う人が組織に含まれているだけで、組織全体が良からぬ方向へ進んでしまうことがままあります。そしてそのような組織では、往々にしてエンジニアが自由に仕事ができなくなります。優秀なエンジニアであれば転職を考えるきっかけとなることでしょう。

あくまできっかけでしかありませんが、小さなほつれがやがて大きな問題になることもあります。人間関係、特に悪口とかいうダークでデリケートな部分はなかなか公にならず、組織の潜在的な問題となっている場合があります。注意しましょう。

そしてエンジニアの皆さんは、違和感を感じたらすぐにその集団から離れることをお勧めします。心を壊してからでは遅いですよ。