綺麗に死ぬITエンジニア

人生をよりよくするための『PDCAサイクル』

2016-01-15

チームビルディングやプロジェクトマネジメントに関する研修や、ISMS(ISO27001)の内部監査員研修など、これまで多くの研修や講習の場で、「PDCAサイクル」が組織をよりよくするために重要なものだと説明されてきました。

今回は、私のこれまでの経験から、組織のみならず個人としてもその「PDCAサイクル」の考え方を利用することで、よりよい人生になることがわかってきたので、まとめたいと思います。

『PDCAサイクル』とは

Wikipediaによると、

PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

と、あります。

つまり、「PDCAサイクル」とは、P:計画してD:実行した後、その結果をC:評価してA:改善し、それを元にまた次のP:計画をしてD:実行し、その結果をC:評価してA:改善する、というサイクルのことです。

業務上のプロジェクトなどでは、計画・実行後にその結果を評価して次に活かします。これを正しく行うことで、同じ失敗を繰り返さないようになります。

要は、経験を通じて物事を「最適化」していく行為と言えます。

個人においても、「最適化」するということは重要

「PDCAサイクル」は、一般に組織に対して適用される考え方ですが、他にも様々な場面で活用できる考え方であり、日頃から日常生活や個人的な業務でも、これを意識している人とそうでない人では明確な差が出てくると思います。それは、給与であったり時間の余裕であったり。

最適化することによって自分の人生において重要なものに時間やお金を投資できるようになり、できる限り無駄なものを減らし、より失敗をしにくい人生を歩むことができるようになります。

では、具体的に何をすれば良いか。

代表的なのが、業務をシステム化するという行為。組織としても人件費を浮かせるためにルーチンワークをシステム化させることがありますが、それを個人的な業務にも活かせば、通常の業務にかかる時間が大幅に削減できる可能性があります。特に事務的な業務に関しては、簡単なプログラムが書ければ大幅に時間短縮になりますから、将来への投資と思ってプログラミングを勉強する価値はあります。こういった工夫をすることで、時間が浮くのはもちろん、業務の精度が上がる(ミスをしにくくなる)可能性もあり、日頃から特定の周期で日常業務を見直すことはとても大事です。

また例えば、転職するという行為。これは、現状の職業はP:計画(就活)・D:実行(就職)して選んでいるわけですが、その現状の職業をC:評価して、A:改善(転職)する行為そのものであり、いわば「職業」を最適化しているわけです。評価した結果、改善の必要がなければ転職などしなくてもいいですし、転職せずにできる改善であれば転職までする必要はありません。大事なのは、そうやって自分の仕事について特定のサイクルで見直して、どんどん改善していこうとする意識です。こういうことを何も考えずに仕事をしていると、安い給与で使い古される人材に成り下がってしまうこと間違いなしでしょう。

大きな決断にこそ、「PDCAサイクル」を活用すべき

みな、P:計画からD:実行まではやりますが、C:評価とA:改善を一定の周期で行うまではあまりやりません。個人的な業務や生活、人生に関してはなおさらです。

大事なのは、小さな業務だけではなく、人生に関わる大きな決断まで、この考え方を取り入れるということです。

今の生活に、本当に満足しているか。無駄な時間を過ごしていないか。もっと他にやりたいことはないのか。他人の人生を生きてはいないか。そう自問自答して、人生を評価する機会を定期的に持ちましょう。

そして、評価したら必ず改善しましょう。

このとき、他人の評価など気にしてはいけません。あなたが今生きているのは、あなたの人生です。考え方の違う他人の言葉に揺さぶられ、不幸な人生を過ごすなんてのはもったいないです。あなたが最も良いと思う、最短の方法で改善をしていきましょう。

自分で決めたことは、他人に勝手に決められたことの何百倍もやりがいがあります。万が一その選択が間違っていたとしても、次のPDCAサイクルで改善すればいいのです。何の問題もありません。大事なのは、それを継続することです。

まとめ

私はこれまでの経験から、こうやって人生を改善していく習慣がある人とない人では、明確に暮らしに差が出てしまうことを痛感しています。

私は現在フリーランスエンジニアとして活動していますが、もしも新卒で入社したときの会社を、上司のひきとめに負けて辞めていなかったとしたら、月収も自分の時間も幸福度も、今に比べて至極低かっただろうと思います。暮らしを改善するには、それなりの覚悟や努力が必要な場面も多いですが、得られるものはとても大きいです。今後も、こうした努力は続けていこうと思います。