「良い辞め癖」と「悪い辞め癖」

2017-03-09

仕事をすぐに辞めると、「辞め癖」がつくぞ!

と、以前新卒で勤めていた中小企業の幹部から言われたことがあります。

まあ、それはさすがに新入社員をただ辞めさせないためだけに言っていただけのようでしたが、それでもそんな言葉を耳にしたことのある人も多いと思います。

あれからいくらか年月が流れ、フリーランスとして独立し、最近「辞め癖」って逆にあった方がいい場合もあるな、と思うようになりました。

「良い辞め癖」と「悪い辞め癖」。

今回はそれらの違いについて考えます。

「悪い辞め癖」とは

まず、一般的に、なぜ辞め癖がつくことが良くないこととされるのか。

それは、一部の救いようのないバカが、本当に何も考えずに仕事を辞めて、破滅したという例があるからでしょう。まあ、確かに何も考えずに何となく辞めてしまう「辞め癖」は、「良い辞め癖」とは言えないです。

しかし、世の中、そんな無責任に行動する人間って、そんなにいないです。普通は後先のこと、多少なりとも考えます。月の家賃と光熱費から、あと何ヶ月無職でいられるか、とか普通は計算して転職活動するはずです。

なので、そんなことも考えられない「突出したバカ」を基準にして、

「辞め癖」がつくから、会社をすぐに辞めるな!

なんていうのは、ちょっと話がズレてるというか、押し付けがましい感が否めません。

「良い辞め癖」とは

つまり、逆をいえば、計画的に仕事を辞められる「辞め癖」は、はっきり言ってあった方がいいと思っています。もっといえば、これからの世の中はそういう人の方が稼げると思っています。

近年、大企業が様々な問題で、業績を悪化させていますね。終身雇用のつもりで大企業に入社したはずが、定年まで勤められずにリストラなんてこともあり得る時代だと思っています。もしかしたら倒産なんてことも向こう40年ないとは言い切れません。

そうやって「一度も転職したことがない人」、厳しい言い方をすると「会社にしがみついてきた人」が、ある日急に無職になったとき、待ち受ける未来は悲惨なものが想像できます。

もちろん、大企業の中には有能で他の大企業に無理なく転職できる人もいるでしょう。

しかし、その一部の有能な人間というのは、他の企業を選べる中で、その大企業を選んで働いているわけで、その大企業が仮にブラック企業だったとしたら、既に辞めるなりヘッドハンティングされるなりするほどの能力は持ち合わせているわけです。

つまり、「いつでも計画的に辞められる人間」なのです。

「いつでも計画的に辞められる人間」というのは、仮に自分に合わない企業に入社することになった場合、いつでも転職できるのです。

はたから見れば同じ「辞め癖」でも、計画的に自分に合わない職場を変えようとする行為は、有能な人間にしかできませんし、そういう流動的に生きていける人の方が稼げます。

そして、様々な経験を積んだ人間の方が、最終的には強みになると、私はこれまでの経験から確信しています。

何もしないことが一番のリスク

仕事をすぐに辞めると、「辞め癖」がつくぞ!

なんて言葉を鵜呑みにして何もしないことが、一番のリスクだと思います。「辞め癖」、ついてもいいじゃないですか。

転職という経験は、何気に自分をスキルアップさせてくれます。自分のいる業界、競合他社や関係会社について考えるきっかけになることは間違いないですし、自分の価値について考えるきっかけにもなります。

自分のスキルに対して、今の給料は釣り合っているのか。もっと他にやりがいや楽しみを感じることのできる職場はないか。もっといい給料・職場に転職するために、自分はどんなスキルアップを今後していけばいいのか。

そういうことを考えながら、積極的に行動できる人間の方が、いざというときに生き残ることができます。

逆に、常に消極的で、キャリアアップについて考えたことのない人間から、会社員というステータスを取り上げたら、一体何が残るでしょうか。会社から見れば、長く働いてくれる良い社員ですが、業界から見たときには何もいいところがないなんて、そんな恐ろしいことにもなり得ます。

何もしない・何も考えないというのは、楽な反面、とんでもないリスクを孕んでいます。

辞め癖がつくと、断り癖もつく

大抵、簡単に職場を辞められない人間というのは、断ることが苦手なんですよね。職場の人に辞めないで、と言われたら、辞められない。そんな人が多い印象です。

しかし、きちんと物事を取捨選択できる人間は、理不尽な要求に対しては普通に断ることができます。メリット・デメリットを理解した上で、断ります。

現状の不満を改善し環境を変えるために、積極的に行動できる人間は、断ることによって生じるいかなる問題も、解決できるだけの能力があります。だから、簡単に辞められるし断れるんです。

つまり、自分を安売りしてはいけないということです。

辞め癖がある人間は、自分を安売りしないのです。安売りしないからこそ、安い職場は転職して、良い職場を探し続けるのです。

まとめ

「辞め癖」は、本当にだらしない「辞め癖」の人もたまーにいますが、普通はそうではなく、状況を改善したいという気持ちから現れるものです。

私は、キャリアアップのために転職を繰り返す人は、何もしない人間よりも何倍も有能だと思っていますし、実際のところ有能な人間が多いです。

だから、「辞め癖がつく」なんてことは気にしないで、本当に目指したいところがあるのなら、積極的に行動しよう!ということです。

筆者について

「もりやませーた」として活動している、フリーランスエンジニアです。1992年生まれ、神奈川県在住、既婚。

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